繁殖について
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ディスカス 繁殖の魅力

 ディスカスの繁殖を体験したくて、飼育をされている方がほとんどだと思います。その中でも「この綺麗な個体の稚魚が取りたい。」と思う方もおられれば、この親たちが稚魚を連れて泳ぐ姿が見たいという方がおられます。魚の中でも、ディスカスは親がミルクを出し、そのミルクを稚魚たちが食べる光景は、特殊な繁殖形態であります。体一面にミルクを出し、初期餌料として与えます。稚魚は、その分泌物を食べようと、親魚の体に群がります。この姿は、一般的な魚の繁殖行動とは、かけ離れております。『熱帯魚の王様』として、高い人気を収めてきたのは、ディスカスの美しさと、特殊な繁殖行動と、子育て行動ではないでしょうか。それが一番大きいと思います。

ディスカスの繁殖を意識した飼い方

 ディスカスの繁殖は難しいといわれておりますが、『繁殖をさせる飼い方』をすればそれほど難しい物ではありません。ワイルド(原種)ディスカスのように水質条件からなかなか上手くいかない品種もいますが、改良品種は個体差はあるものの、品種によっては初心者でも簡単に繁殖させられます。難しいと思っているから難しいのであって、条件さえ合えば簡単なんだと思えば、何とかなると思いますよ。

健康的に飼育する方法

 ディスカスを繁殖させるには、健康的な個体に飼いこなす必要があります。病気にかかってしまいますと、体調を戻すまでに4ヶ月以上かかってしまいます。体調を崩さないよう管理をしていれば、決して難しい事ではありません。先にも言いましたが、ディスカスの飼育は難しいものではありませんが、繁殖をさせる目的であれば、水質管理、えさの管理、それからテクニックが必要となります。ワイルドディスカスは生息河川の水質条件に合わせてあげる事、改良品種であれば、ブリーダーファームの水質条件に合わせてあげれば、状態は安定します。これだけやれば良いのですが、これだけといっても条件なんて簡単に分かるわけがありません。一言で『アマゾン川の水質』といっても自然の水をどのようにして作ればいいのか。まずは作れないと思います。だから考えを変えて、分かっている水質条件に近づけてあげればいいのです。「ディスカスは、弱酸性の軟水を好む!」というのは知っていると思いますが、弱酸性とはどの位のものなのか。今までの経験から言いますと、pH4.5〜pH7.2まででしたら問題なく飼育できます。pH4.0を下回ると、眼球が白く濁ったり、暴れだしたりします。この時は、水換えをしてpHを上げてやりましょう。次に軟水についてですが、これは硬度で表されております。地域によって違いはありますが、水道水は180マイクロジーメンくらいだといわれております。発色、産卵というのに適した数値は、120マイクロジーメンくらいです。これはR/Oを使用すれば下げる事が出来ます。ではこの数値にしなくては産卵しないのかと言うと200マイクロジーメンでも産卵はします。ただ、低ければ低いほど、ディスカスに適しているという事なのです。ワイルド(原種)ディスカスのように、特殊な飼育環境を必要とする個体を除けば、あまり神経質になる必要はありません。次に水温ですが、「30℃くらいが良い」と言う方がおみえになりますが、この水温は稚魚、幼魚に適している温度でありまして、成魚であれば28℃くらいが適しています。あまり高温飼育をしておりますと、オスの生殖機能に障害が出る恐れがあります。状態がよければ、成魚は28℃〜30℃の間で飼育をしてください。

えさ

 ディスカスは、主に自然界では水生昆虫や甲殻類等を食べて生息しております。水槽内ではディスカスハンバーグ、人口餌料、冷凍赤虫、冷凍ブラインシュリンプ、クリルといったえさが売られているので、それらをバランスよく与えるといいでしょう。ディスカスハンバーグが主になってきていますが、高カロリーな為に与えすぎには御注意ください。肥満になると精巣、卵巣などの機能低下を起こし、繁殖障害を引き起こす原因にもなります。あと、ディスカスは薄暗い時に活動します。えさ食いが落ちたなと思ったら照明を消してえさを与えるようにしてください。

ペア形成

 ディスカスという魚は、孵化してから8ヶ月くらいするとペアーリング行動を始める個体がでてきます。ペアーになると2匹でお辞儀するので、そうなったら別水槽に移すが隔離してやるかしてください。上手くいけば近いうちに卵を産みますよ。これがディスカスの求愛行動と言われています。

産卵

 ディスカスの求愛行動が始まりましたら、産卵筒を入れてやると2匹で産卵筒をつつき出します。これは産卵場所の掃除をしているのです。何度かメスが産卵筒を産みつける行動を取った後、卵を下から上に向かって一列に5〜6個産み付け、今度はオスが卵の上を下から上に向かい放精していきます。この行動を何回かして1時間くらいで産卵が終わります。平均して300個くらいの卵を産み付けます。メスよりオスの方が早く産卵行動を始めた時は、受精率が高いと言われますが実際はそれほど変わりません。

孵化

 ディスカスの産卵後は、オスとメスが交互に産み付けた卵を守り、ひれと口を使い、ごみ等がつかないようにするのと、新鮮な水を吹きかけているような行動をします。そして、産卵から孵化まで水温により異なりますが28℃くらいで70時間程度、30℃くらいで50時間程度で孵化してきます。はやく稚魚を見たいからといって、高温にしてはいけません。高温での孵化には障害が出る事がありますし、せっかく受精しているのに孵化前に腐ってしまう事にもなります。ですから、28℃くらいで孵化させるのが理想です。産卵から1日経つと、白っぽくなる無精卵と、オレンジ色になる有精卵とにはっきりと分かれます。無精卵は、ほかっておくとカビが生えてきますが、親魚が掃除してくれるので取り除く必要はありません。かえって掃除をしてしまいますと、親魚が卵を取られると思い有精卵まで食べてしまいますので、ほかっておくに限ります。あと繁殖が可能となるpH値が、だいたいpH5.0〜pH6.8くらいであれば放精した精子が卵に受精できる値だと言われていますが例外もあります。これは個体差で変わります。

卵を食べてしまう癖

 ディスカスの産卵後、頭を悩ませるのが、産んだばかりの卵を親が食べてしまう事です。これはストレスとか親が若すぎるといった事がよく言われております。これらの事を防ぐには、産卵筒に防護ネットをかぶしてやる事と、水槽周りを新聞紙等で囲い外部からのストレスを遮断してやったり、産卵筒ごと別の水槽に移してやり、人工孵化させるやり方もあります。人工孵化をさせる時には、エアレーションを強めにし、卵がカビないようにマラカイトグリーンを少量入れてください。それと蛍光灯は一灯付けっ放しにしてください。産卵後、2〜3日くらいで、次々と孵化してきます。孵化直後は黒い点がブルブル震えているだけですが、3日くらいで魚らしくなり泳ぎだします。

孵化してからの飼育

 ディスカスが産卵して50時間くらいする頃から孵化が始まります。孵化直後は完全に目は発生していない為尾びれを振って、その場でくっついて泳いでいます。72時間くらいする頃から、魚らしくなり泳ぎだし、親魚に群がります。孵化して、3〜4日でブラインシュリンプを食べるようになり、早いと10日くらいでディスカスハンバーグを食べるようになります。ここまで来たら親魚から離してやります。親魚が嫌がっているのに稚魚をほかっておくと食べられたり、親魚がボロボロになってしまいます。稚魚を離してやると、すぐに産卵の準備に入りますが、少し休ませて体力回復させてやりましょう。

孵化した稚魚の育成

 孵化した稚魚は孵化から3日程で自由に泳ぐようにまります。そうなると親魚が口に入れて卵を産み付けた場所か、居心地の良い場所へ移動させます。若い親魚は食べてしまうこともありますのでご注意ください。当店では1ヶ月は親魚に着けて育てますが、親魚が子育てをしないようであれば水槽を移し、ブラインシュリンプを与え育てます。

孵化してから1ヶ月の稚魚の育成

 孵化してから1ヶ月が経ちますとディスカスの体型になります。そうなりますとブラインシュリンプは勿論、ハンバーグも食べるようになります。しかし、ここでハンバーグを与えると消化器官が完全ではない為、死んでしまうことがあります。冷凍赤虫を細かくして与えるか、イトメを与えることをお勧めします。
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